風俗嬢と病気の関係
風俗嬢は、よく身体を壊す。なにしろカラダを張ったハードな仕事だ。体力の無い子は、すぐボロボロになってしまう。
風俗嬢の病気といえば、どうしても性病方面を連想するだろう。しかし最近はシロートの子の方が怖い、なんて話もある。一説には10代後半から20代前半の女の子の20%が性病経験者といわれているほど。みんなすぐナマでやっちゃうからなー。ナマ本番は怖いっすよ。
その点、風俗嬢はプロだから病気に対する知識もあるし、定期的に検査をしている店もあるし、普通の女の子より安心、と思いたいところだが、実はそうでもない。
「実際はみんな知識なんてないよ。特に店員や先輩が教えてくれるってこともないし」
と、風俗歴3年のYちゃん。でも、ほら、お店で定期的に検査とかするんでしょ?
「これまでにヘルスもソープもやったけど、あたしのいた店でちゃんと検査させてたとこはなかったな。それに風俗嬢御用達の病院って、私たちの味方だからウソの診断書、書いてくれるんだよね。私がコンジロームやった時も『これは潜伏期間も長いし、キミから感染ったってわからないから大丈夫だよ』なんていってたもん。だから平気でお客さんとプレイしてた(笑)」
うへえ、怖い。性病って、女性の場合は自覚症状が出にくいので、本人が気づかないケースは多いようだ。彼氏に感染してから気づいたなんて例もある。
店側も、「性病が怖い」というイメージがあると、女の子のサービスが悪くなることを心配してか、いい加減なことを教えたりするらしい。「性病は、よっぽど体力が落ちていないと感染らない。風俗に来るような客は元気なわけだから大丈夫」と、某ピンサロの店員がいってたと、働いていた女の子に聞いたが、そんなわけないぞ。感染力の強い性病は、かなり多いはず。
イメクラなのに、本番をガンガンさせちゃってるEちゃんも、この間クラミジアになってしまった。彼女、押しに弱いタイプというか、強くせまられると断れない。なもんで、すぐ本番に応じてしまう。
「ほら、そういう時って、そのまんま入れられちゃうじゃないですか。だからもちろん生でしょ。やっちゃった客の誰かに感染されたと思うんですよね」
どの客に感染されたかわからないということは、その後についた客にも感染しているということでもある。みんな生で入れちゃってるから、危険だよねぇ。
ただ、彼女の場合、プライベートのエッチする時も、押しに負けてすぐ生でさせちゃってるらしいから、そっちで感染した可能性もあるけど。その後、彼女とプレイした客にとっては、おんなじことか。
ま、どっちにしろ、生でさせてくれるコは、他の男とも生でさせてるわけで、危険度は高いってことなんですよ。単純に喜んでちゃイカンですな。
もちろん性病以外にも風俗嬢の職業病はある。乱暴な客にアソコをいじくられて炎症をおこした、なんて話もよく聞く。あと乳首を強く噛まれたとこが膿んじゃったとか。いくら女の子の身体はデリケートなんだといっても、感覚的にわからない男は多いのだ。でも、そういう客ともやらくちゃいけないのも風俗嬢のツライとこだ。
ソープなどの本番系だと、一日に何回もやらなくちゃいけないので、普通に挿入しているだけでもアソコの弱い子だと炎症を起こしてしまう場合がある。精神的には、どうせ風俗やるなら本番もOKだと思っていても、その辺の問題でヘルスなどで働いている子もけっこう多い。女の子なら誰でもソープで働けるというわけじゃないのだ。
さらにハードと思われるのがアナルファック系の店。本来、入れるんじゃなくて出すべきところに、一日に何本も入れるとなれば、そりゃカラダにも無理 がかかりガタが来る。腹が下りっぱなしになるとか、熱が出るとか。でも、これも全然平気な子もいるわけだ。一日に6本も突っ込んでケロリとした顔してたり。
「快便になっていいよぉ」
なんて呑気なことを言ってたのは、池袋のAFヘルスの看板娘のTちゃんだった。いやぁ、つくづく人には向き不向きってものがあるんですね。ただ、不思議なことにアナルファックの店で働いていて痔になった子ってのは聞かないなぁ。けっこうみんな綺麗なお尻の穴なんですよ、見せてもらうと。
そういう直接的な職業病じゃなくても、風俗嬢は基本的に病気をしやすい労働環境にある。
なにしろ仕事中はいつも裸だし、店には窓もなく空気も悪い。一日に何度もシャワーを浴びるのも、よくない(お肌へのダメージも大きいらしい)。風邪気味の客ともキスしなければならないから、それでうつされることだってある。日銭稼いでナンボの商売なので、少々風邪気味でも休まない仕事熱心な子が多い。でもそのおかげで店中に風邪が蔓延することもある。なにしろ風邪のウィルスには天国みたいな場所だから。
風邪などで身体が弱っている時には抵抗力も落ち、性病にもかかりやすくなるわけで、その辺も気になるところ。
あ、余談だが、これは男の場合も同じだ。風邪ひいてたり、疲れていたりすると病気をもらいやすいから、遊ぶのは避けた方がいいと、僕のソッチ方面の主治医の先生がいっておりました。あと、酔っぱらってる時も気をつけた方がいいとか。
なんにしても、カラダを張って働くということは大変なことなのである。正にカラダが資本の彼女たちなのだし。いや、ホント、カラダだけは大切にしてもらいたいものです。
風俗嬢の職業病としては、肉体的なものだけではなく、精神的なものも多い。ノイローゼとまではいかなくても躁鬱程度なら、かなりの女の子が抱えている。風俗という仕事にあまり抵抗がなくなってきたとはいえ、やっぱり精神的なダメージはあるのだろう。精神安定剤系の薬を飲んでいる子は多い。
「別に仕事でエッチするのは平気だし、この仕事も好きなんだけど、時々すごくダメになる時期があるんですよ。そうなると吐き気がしちゃったり、冷や汗かいちゃったり」
と、池袋のイメクラ嬢Mちゃん。彼女もお薬が手放せない様子。
「普段はお客さんのちんこも、愛おしいと思うんですけど、そういう時はダメですね。見るのもイヤになっちゃうんです」
ただ、ある程度時間が経つとスッキリと立ち直れるらしい。
聞いてみると、ほとんどの風俗嬢が定期的にそんな時期を迎えるという。なんだかんだいっても、やっぱりこういう仕事って、精神的にどこか負担をかけちゃっているんだろうなぁ。
風俗が天職かも! なんていっている女の子でも、出勤するまでは憂鬱だっていうし。それでもお店に出ちゃえば、ちゃんと楽しいらしいんだけどね。
ま、最近は普通の女の子でも精神安定剤のお世話になっている子って多いから、別に風俗嬢に限った話じゃないのかもしれないんだけど。
*「スコラ」(スコラマガジン)00年12月号「はずかしいしごと」より。
同誌、編集者総入れ替えのために、この連載もこれにて終了。
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