はずかしいしごとがバレないために
誰でも知っているようなビッグなAVアイドルが生まれにくくなってきている原因の一つにパブ規制というものがある。
AV専門誌はいいけど、スコラのようにコンビニで売っている雑誌はダメ、とか、エロ雑誌はいいけど週刊誌はダメ、といった媒体露出の基準が厳しくなっているのだ。
あのAVバブルの時期のように、エロ雑誌、一般誌、さらにはテレビ番組などとメディアの区別もなくガンガンAVギャルが露出していた時とは違い、最近では大半のAVギャルが「コンビニで売っている雑誌はダメ」なんていうのだ。だから、メジャーな雑誌ほどAV特集をやるのがキツイ。葵みのりダメ、金沢文子ダメ、秋奈理子はスコラと実話誌はダメだけどデラべっぴんはOK、とか。この基準も結構複雑で、同じ女の子でもメーカーによってOKの基準が違ったりすることがあるのが面白いというか、迷惑というか。
もちろん、以前は女の子がイヤだといっても無断で露出させてしまっていたなど、人権的には問題があったわけで、女の子にとっては今の方がいい状態ではあるのだけど。
風俗取材をしていても、やはりこのパブ規制というのは大きな問題だ。風俗専門誌はいいけど、コンビニ誌はNGというパターンはかなり多い。風俗専門誌で表紙にドーンと出てたりするのに、一般エロ雑誌はNGなんていわれたりもする。表紙の方が大多数の目につきそうな気もするんだけどなぁ。
だから風俗嬢の取材用プロフィールには、「取材可能な媒体」なんて項目がある。例えば、高田馬場のイメクラ「A」のHちゃんの場合だと、取材OKが風俗専門誌と月刊情報誌、取材NGが週刊誌とスポーツ新聞、TVとなっている。月刊情報誌というのは、いわゆる普通の月刊エロ本を指すんだろう。
お店側としては、宣伝になるわけだから、できるだけメジャーな媒体に取材させたい、でも女の子はバレたくないから、マイナーな取材だけで済ませたい、お店ではそんな攻防が繰り広げられているわけである。
風営法改正で、新しく認可されたデリヘルに脱サラの素人経営者がドッと参入したけれど、営業不振でほとんどが撤退したわけだが、その理由のひとつに素人ゆえに取材ベタだったということがあげられると思う。
簡単にいうと女の子を取材に出るように口説くことがヘタだったのだ。デリヘルの広告や女の子の紹介記事では、顔を隠している子がほとんどだった。ホテトルなど完全非合法な業種ならともかく、いちおうはお上に認可されているデリヘルで、女の子がみんな顔を隠しているというのは、たぶん店員が女の子を説得できなかったからであろう。この辺のノウハウというのは、やっぱり重要だ。慣れている店の場合、「バレるとマズイから、絶対取材なんて受けない!」なんて言い張っていた子を、あっさりと顔出しヘア出しで、メジャー誌に登場しちゃうように口説いてしまうのだ。
取材に出る子と出ない子の給料のバック率を変えたり、取材代(取材を受けるとお店から女の子にお金を払う)をはずんだりと、色々な仕掛けをして女の子を取材させるように仕向けていくのである。もちろん、口も上手いのだ、彼らは。 「絶対大丈夫、なんとかちゃんなんて、TVまでバンバン出てても同棲してる彼にバレてないんだから。バレる子なんて、よっぽど運が悪いんだよ」 なんていうわけだ。
この辺のノウハウは、やっぱり経験を積んできた人にしか無理なんだろうなぁ。結局デリヘルも、これまでイメクラや性感ヘルスをやっていた業者しか残っていないようだし。
僕らが取材する時にも「女の子には媒体名ごまかしておいて下さいね」なんてダマシの片棒を担がせられることもあったりする。一般誌の取材なのに、風俗情報誌だということにしてくれといわれるわけだ。ごめんなさい、僕もそうやって、何度か女の子ダマしたことありました。
さて、このバレ問題だが、彼女たちが一番バレたくないのは、やはり親である。彼氏、という子もいるが、彼氏の場合別れたら終わりだけど、親は一生のつきあいだからねぇ。
スポーツ新聞や週刊誌などがダメというのも、単に部数が大きいということ以外に、お父さんの目につきやすいという理由がある。
前に「週刊T」と「漫画G」はダメという誌名決め打ちでNG出してきた子がいたのだが、聞いてみたら、実家が店をやっていて、この2冊は店でとっているから、なんだそうだ。そういやスコラは弟が読んでるからダメっていってた子もいたな。AVギャルや風俗嬢のヌードで一発抜きますか、なんて思って見てたら自分の姉さんが出てたら、そりゃびっくりするわな。でも、例えお父さんや弟がマニアで、風俗専門誌とかAV専門誌を愛読してたとしても、たぶんキミにはわからないように読んでいると思うぞ。キミが把握している雑誌だけが愛読誌じゃないと思うな、僕は。
それはそれとして、不幸にも親にバレちゃって引退をよぎなくされることがAVギャルにも風俗嬢にもある。半狂乱になった親に軟禁状態にされた、なんて話もいくつか聞いた。
仕事のことは理解してくれている、という「物分かりのいい親」もたまーにはいるが、そういうのって母親だけなんだよね。お父さんにはナイショっていうパターンが多い。一応ムスメを持つ父親である僕としては複雑な気持ち。いや、ま、ウチの子はまだ3歳だけどね。
しかし、女の子たちの方が一枚上手なのだ。バレて、辞めたことにして、また働いている女の子の、なんと多いこと。色んな意味で、それだけ魅力のある仕事ということなんだよなぁ。
雑誌に出てたことでバレたのに、まだ平気でバンバン顔出しで取材に応じている子もいる。こっちが心配になってしまうが、彼女、ケロッとした顔で、
「大丈夫よぉ。前に撮影した写真を、まだ勝手に使われてるって説明するからぁ」
だって。やっぱタフっすね、女の子って。
ちなみに、僕も親バレというヤツを体験したことがある。昨年にハメ撮りAV監督としてテレビの某有名深夜番組に出演したら、ばっちりバレた。
そんな番組、うちの親は見てないと思ったのだが、実家の店で働いているパートのおばさんが「これお宅の息子さんじゃなーい?」なんて、わざわざビデオに撮っておいて見せてくれたそうだ。いやー、世の中には親切な人がいっぱいいるんだなぁ。
ま、僕は男ということだからか、「お前、いったいどんな仕事やってるんだ?」と言われた位であまり深くは追及されなかったが(薄々は知ってたらしい)、これが女の子の立場だったら、やっぱり違っただろう。
それ以降、やっぱりTVは危険だ、もう顔出しは控えようと思った。カミさんの実家とかにバレたらシャレにならないもんなぁ。いや、ホント、媒体は選ばないとね(笑)。
*「スコラ」(スコラマガジン)00年9月号「はずかしいしごと」より。
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