はじめてのおしごと
女の子にとって、初めてのオトコというのは大切な存在、だなんてのは男の勝手な思い込みだ。初体験の相手のことをよく覚えていない子だって多い。とにかく早く処女を捨てちゃいたいから、ナンパしてきた行きずりのオトコにあげちゃったなんてのも、よく聞く話だし。
そこで話はいきなり飛ぶのだけれでど、女の子が風俗入りして最初のお客さんというのは、なかなか重要な存在なのだ。これまた、女の子本人はよく覚えていなかったりもするのだけど(あまりに緊張して何をやったか覚えていない、なんてこともあるけど)、お店側にとっては重要。なにしろ、最初のお客さんの印象次第で、女の子がこれからもやっていけるかどうかが左右されるのだから。
つまり、なんだかんだいっても女の子が風俗で働くということは、最初は緊張するものであり、初めてのお客さんがいい人だと「ああ、これからも頑張ってやっていこう」と思えたりするのだ。
「ガチガチに緊張しちゃって、フェラも下手だから、最初のお客さんをイカせられなかったんです。すごく落ち込んだんですけど、そのお客さんは『大丈夫、すぐに上手くできるようになるよ』って励ましてくれて。失敗しちゃったのに、また翌日も指名してくれたんです。すごく嬉しかったですね」
と、歌舞伎町の性感へルス嬢Aちゃん。ま、その客も、「へへへ、それじゃいっちょオレが仕込んでやろうか」なんて調教の喜びで、日参したんだろうけど、そのおかげでAちゃんは、ずいぶんやる気がでたようだ。
逆に何も知らないということにつけこんで、悪さをする客だっている。
「え、こういうところは建前とは違って、本当はみんな本番やってるんだよ」
なんて丸め込んで、ハメちゃう悪いヤツもいるのだ。で、それを真に受けて「そんなもんか」と納得しちゃって、しばらくみんなに本番しちゃってたという女の子もいた。2番目以降のお客さん、儲けましたね。って、そんなこといっちゃいけないか。
ともかく、お店側にとっても最初の客は重要。あんまりヒドイ客をつけちゃうと、ショックで翌日から来なくなっちゃうってことも珍しくないんだから、客の選択も必死だ。
特にSMクラブなどは、プレイ自体が危険なので、SにしろMにしろ常連の慣れた客をつけるという。慣れたM客に、手取り足取りプレイのコツを教えられる新人女王様ってのも、考えてみると笑えるけど。
そんなワケで、常連になったりすると、初物=新人風俗嬢を優先的に味見させてもらえるという話をよく聞く。先日、僕もそんな光栄にあずかったのだ。
池袋で取材を終えた帰り道に、ばったりとKさんに出会った。Kさんは、風俗業界のベテランで今も池袋周辺の十店近くの店の広報を手がけている。僕とも長いつきあいだ。
「安田さん、明日の午前中ってヒマですか?」
「え、何で?」聞けば今日面接した女の子が初出勤なので、最初の客になって欲しいというのだ。
「安田さんなら安心だしさ。サービス内容もチェックしてよ」
こりゃ、うれしい話だということで、即OK。風俗歴は長い僕だが、風俗初体験の女の子の最初の客というのは初めてだった。ま、気づいていなくて初めてってことはあったかもしれないけれど・・・。
翌日の午前11時、ウキウキしながら池袋東口のイメクラ『P』に向かった。女の子の名前は、Hちゃん。20歳。キャバクラなどは、やっていたけれど、射精系風俗はこれが初めてだということ。Gカップの巨乳だということなどを店長から聞く。
痴漢コース、セクハラコースなどもある店だが、まずは一番女の子が楽な夜這いコースで、といわれる。アイマスクをして眠っている女の子を、好き放題にイタズラするというプレイだ。さて、シャワーを浴びて、いよいよプレイルームへ。ドアを開けると、薄暗い照明の中、パジャマ姿で仰向けになって寝ているHちゃん。アイマスクをしているので、表情はわからない。声をかけて、緊張をほぐしてあげようかとも思ったが、せっかくなので、そのまま愛撫してしまうことにした。ガチガチ具合を楽しもうということだ。
まずはキスから。唇は固く閉ざされたままで、確かに緊張しているようでカラダに力が入っているのがわかる。とりあえず、ソフトにソフトに、を心がけて、優しく乳首を指先で転がしたり、舌で転がしたり。
鉄板のように固かったカラダが少しづつほぐれてきて、かすかに反応しだした。時折「んッ」と声が漏れる時もある。こうなれば、こっちのものだ、パジャマのズボンに手を差し込んで、指をショーツの中へ侵入させる。柔らかな繊毛につつまれた亀裂は、既にびっくりするほどの湿り気を帯びていて・・・。
と、このコラムはあまりモロな体験ルポではないので、そっち方面の描写はこの辺で止めておくが、Hちゃん、緊張していたのは最初だけで、快感のスイッチが入ると、もう派手に感じまくっていた。
ひと通り愛撫してから、アイマスクを外すと、「恥ずかしい」を連発して顔を手を覆っている。この辺は、さすがに新人という初々しさが感じられた。
少し話してリラックスさせる。どうしてこの仕事をやろうと思ったの? なんて質問をさりげなくしてみる。
「私、エッチ好きだからさぁ」
そりゃ、営業用の答えだろうなぁ、と思いながらも今日は取材じゃないので、それ以上追及しなかった。しかし、その後、さらに愛撫を続けると、見事にイキまくっていたし、攻守交代してからのサービスぶりも凄かった。舌の使い方も絶妙だし、舐めながら同時に指でフクロのあたりを刺激するなど、素人とはとても思えないテクニシャンなのである。アナル舐めもかなり長時間やってくれたし。 思わず「なんで、初めてなのに、そんなに上手いんだぁ?」と聞くと、
「前に付き合ってた彼氏に仕込まれたの。ていうか研究しあったんだよね、エッチを(笑)」
との答え。この子、本当にエッチが好きで、風俗はじめたのかもしれないという気がしてきた。
結局、風俗初体験の子の緊張ぶりを楽しむなんて最初のもくろみは見事に外れてすっかり濃厚なプレイを楽しんでしまった。
受付で、Kさんがニヤニヤしながら言う。
「すごかったでしょ。僕も昨日彼女を講習したんですけど、驚かされましたよ。ありゃ、本当に好きモノなんでしょうね」
いつまで働いても、上手くならない子もいれば、いきなりベテラン客のドギモを抜く子もいる。こういう仕事も、天性のものに左右されるんだなぁ、と改めて感じた。いや、ま、当たり前のことなんだけど。
*「スコラ」(スコラマガジン)00年6月号「はずかしいしごと」より。
実はこのお店、本番ヘルスなのでした。なもんで、この後すぐに摘発されてました(笑)。
CLUB RIO
Copyright (C) 1994-2005 安田理央. All Rights Reserved.
Powered by Tokyo Topless / 東京トップレス