父よりムスメへ
ムスメよ、お前がこれを読めるようになる頃、お父ちゃんはどんな仕事をやってるかはわからない。
でも、お前が産まれた頃、お父ちゃんは風俗ライターだったんだ。風俗店のお姉ちゃんとお話したり、ハダカを撮影したり、実際にエッチをしたりするのが仕事だ。お前のミルク代もオムツ代も、みーんなそうやって稼いだお金なんだよ。
イヤか? イヤだったらごめん。
でも、お父ちゃんな、風俗で働く女のコたちが好きなんだよ。あのコたち、あっけらかんとしててさ、タフなんだよ。あのコたちと話してると元気が出て来るんだな。中にはびっくりするようなヘビーな過去を持ってるコもいるんだけどさ、それもたいしたことじゃないかのように、明るく笑いながら話してくれちゃうんだよ、まるで「彼氏と別れちゃったのぉ」ぐらいの軽さで。
そりゃ、単にニブイだけなのかもしれないけどさ、感受性が強すぎて、考え込みすぎて自滅しちゃうよりは、ニブい方がよっぽどいいよ。
だからな、お父ちゃんは、もしお前が風俗で働いたり、AVの仕事したりしても怒らないぞ。怒れるわけはないよな。でもな、お金のためだけにイヤイヤやるんだったら怒ると思う。そんなの自分もツライだけだし第一、お客さんに失礼だ。「お金はもちろんだけど、結構楽しいしぃ」って感じなら、許す。ガンバレ。
・・・・・・とかいってるけど、実際にはその時になってみないとわからないな。どんどん可愛くなってくるお前を見てると、もう既に「嫁になんかやれるか」って気になってきてるもんな。前言撤回しまくってるかもしれない。
でも、まぁ、タフな女のコに育ってくれれば、どうだっていいや。こんなバカ父のいうことなんて無視してくれ。
父より
「週刊SPA!」(98年1月~3月)より
短期とはいえ初めての週刊連載コラムです。一般の読者の反応はともかく、業界の 人にはえらく評判がよかったのがすごく嬉しかった。
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