「白ポチャ倶楽部」(好日出版/1800円/不定期刊)
性の嗜好の多様化が進んでいる。インディーズビデオと呼ばれるAVにそれは顕著で、母乳を絞りだすだけのビデオ、パンストを穿いた脚を写しているだけのビデオ、女性をくすぐっているだけのビデオ…。
セックスシーンどころか、ヌードも一切登場しない。こうしたAVが、それなりに売れているというのだ。可愛い女の子がハダカを、あるいは痴態を見せることがエロの王道だという常識が少しずつ通用しなくなり始めているのかもしれない。
もちろんビデオに限った話ではなく、エロ本の世界にも多様化の並は押し寄せている。例えば、好日出版から発売された「白ポチャ倶楽部」である。表紙のキャッチコピーには「素人限定! ポッチャリ娘の豊満ボディを舐め尽くし!」とある。うむ、ポッチャリ娘、いいだろう。豊満ボディ、素晴らしい。最近は乙葉やMEGUMI、小向美奈子のような、むっちり系アイドルも人気を集めているし流行ともいえる。白ポチャ娘、大歓迎だ。
と、甘い気持ちで本誌を手にすると後悔することになる。まず巻頭グラビアは19歳の薫ちゃんEカップ。胸も大きいがお腹のあたりも、かなり豊満。顔はそれなりに可愛いのだが、この三段腹は巻頭に持ってくるにはキツイのでは…。
と、思いながらページをめくっていくと、次に控えているグラビアでドギモを抜かれる。応募してきた姉妹、ひろみちゃん26歳とみかちゃん21歳。淫乱ボディー、迫力ボディー、グラマラスなどというコピーが誌面に踊っているが、二人とも今どき相撲取りでもこんなに太っていないという超肥満体。二人と絡んでいる男優が脂肪に埋もれて見えなくなるという凄まじさ。誌面一杯が肉・肉・肉。
以降もこの姉妹ほどではないが豊満すぎる女体が誌面を埋め尽くしていく。
注目すべきは、この本では彼女たちを決してキワモノとして扱わず、素晴らしい肉体美だと正面切って賞賛している点だ。曰く「太めの時代がやってきた」「このムチムチ感、早くカメラを置いて食してみたいものです」…。特に印象的だったのは、この世界では「ブタのニオイがしてきそう」という表現が、ほめ言葉として使われているということ。こ、これは本気だ。
少し前までは、キワモノ扱いだった熟女・痴女といったジャンルが、現在では立派な主流のひとつになっているという事実から見れば「白ポチャ」が、そうならないとは言い切れない。
*「特選小説」(綜合図書)02年6月号「エロ本探訪」より
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