蕨・本ヘル「V」、そして鰻重
故郷が消えた。正式には故郷の名前が消えたのだが。数ヶ月前、僕が高校生まで暮らした浦和市は、大宮市・与野市と合併して、さいたま市なんて間抜けな名前の都市になってしまった。
ちょっとした用事で、さいたま市になってしまった浦和の駅(駅名はそのままだった)に降り立った。町並みは十数年前とずいぶん変わってしまったけれど、高校生の頃によくエロ本を買っていた古本屋は、当時のままの佇まいで残っていた。昭和40年~50年代のSM雑誌が安い値段で売られていたので、大量に買い込んだ。
SM雑誌でパンパンにふくれた鞄を抱えて遅めの昼食をとる。なぜか浦和の名物である鰻。並重千七百円ナリ。
さぁ、これで精力も補充完了。せっかくなので、ちょっとどこかで遊んで行こうかと思ったが、浦和には駅前にピンサロがあるくらいで、風俗店が見あたらない。仕方がない。京浜東北線で3駅先の西川口にでもいくか。
と、その時、浦和の隣町(そして西川口の隣でもある)の蕨にも、西川口流のヘルスがあるという話を思い出した。西川口はつい2週間前にも行ったばかりだ。よし今日は蕨で遊んでみよう。
僕の住んでいた場所は、浦和の端で、蕨にも近かった。実は今も親が蕨に住んでいる関係で、最近もよく訪れる。しかし蕨の風俗で遊んだことは無かった。
蕨駅、東口。ちょっと下町っぽい雑多なムード。悪く言えばスラムの匂いすらする街だ。記憶をたどって東口周辺をうろつく。確か「V」という名前のはずだが。
駅から少し離れた通りで、「V」の看板を発見した。古びた雑居ビルの中に店はあるらしい。看板には「西川口流」のことは一切書かれていなかったが、とりあえず入ってみよう。
外見通りに古く、かなり汚いビルで少し不安になる。店のドアには「21世紀性感 V」とそっけなく書かれているだけだった。中に入ると、いきなり受付。
料金は30分6千円からのコースと8千円からのVIPコースとがあり、店員はいきなVIPコースの方から説明する。
「VIPコースは西川口流ですから」
つまり西川口流がメインということだろう。それにしても、30分8千円からとは普通のヘルス並だ。僕は60分コースを選んだが、それでも1万4千円。都内のイメクラより安いじゃないか。
料金を払って待合い室へ。しかし、予想どおりに店内は汚い。ビル自体が古い上にボロボロのカーテンやベニヤ板で仕切っただけなのだ。都内では、こんな店はなかなかお目にかかれないだろう。
すぐに呼ばれて、女の子とご対面。ああ、なんで自分から写真指名を切り出さなかったのかと後悔した。僕の目の前にいるMちゃん、身長は低いが横幅は広いというか、かなり太めなのだ。太めなんてのは、甘いな。ズバリいえばチビでデブなのだ。ただ、顔立ちはルビー・モレノを太らせたような感じで、痩せればそこそこ可愛いかもしれない。あ、ルビー似とはいっても、ちゃんと日本人ではある。よく笑い、性格もいい。愛嬌のあるデブ。
やはり恐ろしくボロではあるが、ちゃんとシャワー室もあり、西川口流といっても普通の性感ヘルスのようだ。店内の壁に絵葉書がたくさん貼られているのだが、インテリアのつもりなのだろうか?
個室に戻り、ベッドに並んで腰掛ける。なぜかベッドの上には銀色の保冷マットが敷かれていた。
「お客さん、どうしたい?」
Mちゃんが尋ねる。先に攻めるか、攻められたいかということか。あの肉塊を攻める気はあまりしないのだが、とりあえず僕が先攻で行くことにする。
Mちゃんはゴロリと仰向けになった。正に肉塊という迫力だ。胸もそれなりに大きいのだが、腹も同じくらいに波打っている。それでも、しっかり乳首を舐め、股間に顔を埋める。なぜか股間はツルツルに剃り上げてあった。
Mちゃん、感度はいいようだ。すぐに喘ぎ声が上がる。しかし、やっぱりどうにも僕が盛り上がらない。早々にしおれたままのペニスを舐めてもらうことにする。もちろん生フェラ。目をつぶって、小池栄子に舐められているんだと必死に想像すると、なんとか固くなった。するとMちゃんは、すぐに枕元からコンドームを取りだし、かぶせた。彼女が上というのは、ちょっと怖いので、正常位にて挿入、発射。
他もMちゃんみたいな子ばかりならば、アレだが、30分8千円である。文句をいったらバチがあたる。まるで牛丼のような価格破壊。しかし、実際はこんなあたりが適正価格なのかもしれないなとも思いつつ、僕は京浜東北線に乗り、東京へ戻った。
*「デラべっぴん」(英知出版)01年10月号「旨味風俗」より。
CLUB RIO
Copyright (C) 1994-2005 安田理央. All Rights Reserved.
Powered by Tokyo Topless / 東京トップレス